(前回の記事は こちら )

セブで生活して2年にもなると、知人などから「海外で子育てするってどうなの?」的な質問をされることがあります。私も、セブ島に来て1年ぐらいまでの間は「セブいいよー。子どもも慣れてしまえばすぐに英語を話せるようになるよ〜」という感じで答えていたと思います。
jpg
Photo by Steven S.

でも、今は安易にそう答えることができない自分がいます。その理由については、これまでのエントリで書いてきたので割愛しますが、とにかく海外で子育てする以上、つねに「子どもの英語への適応力の高さ」は「母語を忘れる早さ」と比例するってことは忘れてはいけないポイントです。

もちろん「子どもの母語は英語にする!」という意気込みで移住を目指す方は、また話がぜんぜん別なのですが、日本語も英語もビジネスレベルで運用できるバイリンガルを目指す場合は、やはり絶対に意識すべきポイントだと思うんです。

ちなみに「うちの子は日本に住んでるから、母語を忘れる心配なんてないわ〜」という方も、もちろん無関係ではありません。日本にいながら日英のバイリンガルを目指す場合でも、この視点はやっぱりすごく重要だと思います。

なぜなら、バイリンガルについていろいろ調べた結果、だいたいどのウェブサイトや書籍にも書いてあったのが「まずは母語をしっかり身につけることが大事」ということだったからです。


バイリンガル教育では「母語の高度化」がキモになる


まず、先日のエントリで紹介した『英語を子どもに教えるな 』には、このような一説があります。
英語を身につけながら、日本語を維持することは並大抵のことではない。比較的低年齢からアメリカに来ているのに英語力の伸びが芳しくない場合や、日本でもあまり読書習慣がなく、豊かな日本語体験があったとはいえない場合、英語も日本語も両方ともセミリンガル状態になる可能性が高いので、まずは母語である日本語の力を養う指導に重点を置くべきだろう。
さらに、神戸女学院大学名誉教授で思想家でもある内田樹さんのブログにも、このような記述が。
このように幼いときに母語的環境から切り離された子どもたちはどうなるのか。 家族と一緒に移民してきた場合、母語を生活言語として「話すこと」はできるが読み書きはできないという事例が多い。 小学生の途中で留学したが、英語運用能力が大学入学レベルに達せず、一方日本語では祖父母と会話ができないというケースや、高校の途中から留学して大学入学の英語レベルには達したが、今度は英和辞典の日本語が読めなくなったというケースなど「英語も日本語も中途半端」ないわゆる「セミ・リンガル」というケースも少なくないそうである。
どうですか。みなさん見事な「母語」推しです。

いや、でもそれは英語教育のドシロウトである私ですら、ものすごく感じているんです。これは子どものことじゃなくて、私自身の話なのでここで披露するのは少々お恥ずかしいのですが、私はいちおうフリーライターとして15年ほど活動してきました。つまり日本語で文章を書くプロとしてお仕事していたわけで、まあ母語に関しては人よりも運用能力に長けている自信がちょっとばかりあるのです。というか、なかったら逆にマズい。

で、ある日、語学学校でエッセイを書く宿題が出たんですね。まだ留学したばかりで、会話的には「How are you?」に毛が生えたぐらいの戦闘力しかなかった頃なんですが、なんかそのとき出されたお題が「環境問題」みたいなややこしいテーマだったんですよ。

もちろん日本語でならいくらでも書けるんです。いちおうライターですから。なので、日本語で書いた文章を自分なりに英訳しました。ぶっちゃけ一晩かかりました。もう Weblio 大活躍。で、先生に見せたら予想外にすごい高評価だったんです。「リサは英語を話せないのに、書くことは上手なのねw」と。ある意味、皮肉なんですが、それでも私としては褒められてうれしかったんです。

で、先生がつづけてこう言ったんです。「今までたくさんの生徒さんを見て来たけど、やっぱり日常的に文章を書いている人や本を読んでいる人は、英語でもすごく上手な文章を書くのよ」と。それを聞いて、母語の習熟度が外国語を学ぶときすごく有利にはたらくんだな、と思ったんです。

もちろん実際の会話になるとまた話はぜんぜん別で、ネイティブみたいに流暢に話すことはまだまだ無理なんですけど(汗)。

というわけで、明日はバイリンガル教育の成功のカギとなる「母語」について、もうすこし掘り下げてみたいと思います!

 
このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr