「TOEIC900点越えでも自慢にならない」〜 韓国の英語教育事情 vol.2 のつづきです。

そもそも韓国ではなぜ早期英語教育がこれほど盛り上がったのでしょうか? 
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その背景には、2つの大きな理由があるといえます。

理由① 昔から「狭い国内市場」への危機意識があった

1987年に民主化を果たした韓国は、その翌年にソウルオリンピックを開催し、順調に経済成長を遂げていました。けれども、韓国は人口が少なく(日本の約半分)、所得水準も高くないため、国内市場の規模は大きくありません。そのため韓国政府は、内需主導での経済発展に危機感を抱いていました。

そんな中、1993年に金泳三が大統領に就任。彼は「世界化(Segyehwa)」をスローガンに、市場の開放や経済の国際化を推し進めました。そして、金泳三政権は「英語の早期教育」にも注目します。1995年には「世界化推進のための外国語教育強化方案」という文書内で小学校3年生からの英語必修化が提案され、1997年から本格的に実施されたのです。

理由② 1997年の経済危機によって海外志向が強まった

1997年にアジア通貨危機が起こったとき、韓国ではウォンが大暴落しました。その結果、外貨建ての債務が一気にふくれあがって返済不能に陥り、韓国は事実上の国家破綻に追い込まれてしまいます。多くの企業が倒産し、生き延びた企業もリストラやコスト削減を強いられました。内需が落ち込み、不景気の嵐が吹き荒れる中、韓国の企業も人々も、海外に活路を見出す必要にせまられたのです。

グローバル化を目指す大企業に入社する、あるいは海外で進学→就職するためには、高い英語力が必要です。そのため韓国では、できるだけ早いうちから英語を習得する=早期英語教育がますます注目を浴びるようになったわけです。

さらに2000年、それまで高卒以上の学歴を持っている人にだけ許されていた外国留学が全面自由化されたことで、早期留学(満17歳以下の留学)が急増します。韓国の親たちは、競うように我が子を海外に留学させ、なんとか英語を身につけさせようと考えたからです。実際、2002年には1万人だった早期留学生の数は、2006年には2万9511人と約3倍にまで膨れ上がりました*。

* ウェブマガジン『留学交流』2011年4月号「韓国の留学生政策とその変遷」(日本学生支援機構)

韓国のこのあたりの事情については、以下の文献が参考になります。


次回は急増する早期留学についてもうちょっと掘り下げてみます。韓国の英語教育事情、まだまだつづきます〜
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