(前回の記事は こちら

本日は、韓国国内の英語教育への取り組みについて調べてみたいと思います。
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Kidergarten by donut2D 

これまでご紹介してきたように、熾烈な競争社会といえる韓国のお父さんお母さんたちは、とにかく教育熱心。小さいうちから、よりよい教育機会を与えようとみな必死です。小学生が深夜まで塾に通って勉強したりするのは、わりあいふつうのことだといいます。

さて。そんな小学生向けの塾の中でも、とくに英語関連のものは大人気です。韓国統計庁の私教育費調査(2011年)によれば、小学生の私教育費の月額平均は24.1万ウォン(約2万6000円)で、そのうち英語教育は8.2万ウォン(約8900円)と最大のシェアを占めているといいます。

ソウル市の小学生の英語塾を例に挙げると、1回90分のレッスンを週2回受けた際の月謝は約25万ウォン(約2万7000円)。教材費もいれれば、月額40万ウォン(約4万3000円)を超える出費になります(出典:東亜日報)。韓国(ソウル市)の平均手取り月収は約14万円 なので、教育費が一般家庭にとっていかに大きな負担であるかわかると思います。

そんな風潮なので、韓国では幼稚園からの英語教育もさかんです。以前、紹介した書籍「韓国のグローバル人材育成力 超競争社会の真実 」のなかで、ソウル市・龍山区にあるWCK語学院・スターターズ英語幼稚園の院長の話が興味深かったので紹介します。

「現在、韓国では幼児英語教育という考え方がすっかり定着しました。世界化が叫ばれた1990年代始めには『幼児英語教育は良いか悪いか』が論点でしたが、今は『どんな英語教育法が幼児に効果的か』という議論に変わっています。今や韓国で英語教育の時間を取り入れていない幼稚園はほとんどないと言っても過言ではありません」(注:コメントの主旨を私なりに要約しています)

国民の英語力アップにかける韓国の本気度がスゴい!

こちらの記事 でお伝えしたように、韓国では日本より14年も先に小学校3年からの英語必修化が導入されています。私が高城剛さんの著作「21世紀の英会話 」のお手伝いをしていた2012年当時、韓国では小学校3・4年生は週2時間、5・6年生は週3時間の英語が必修となっていました。調べていて驚いたのは、小学生といえども、単に英語に親しむというレベルを超えて、リスニングとスピーキング力の向上にフォーカスした授業内容になっていたことです。

例えば、小学校5・6年生向けの教科書は、コミュニケーションを重視した構成になっていて、日本の中学1年生が学ぶ内容とさほど変わらないものになっています。また、テキストには韓国語を極力減らし、英語で英語を学ぶ配慮がなされている点も印象的でした。

また、校内に英語の授業専用の教室(理科室や音楽室みたいな感じ)を設ける学校も増えていて、いうなればキッザニアのような施設を校内に作って、実際の生活の場面を想定しながら英語を学べる環境づくりにも力を入れているというのです。

一方、韓国で有名なのが「英語村」という施設です。韓国初の英語村は2004年、ソウルの北西・京畿道に建設されました。日本と同じく、日常生活で英語に触れる機会が少ない韓国の子どもたちに、英語でのロールプレーを通じて英語を学んでもらう「テーマパーク」といえます。

英語村には「English only policy = 園内では英語しか使ってはいけない」というルールがあります。施設内にはネイティブ・スピーカーがスタッフとして数多く滞在していて、さまざまなワークショップやアクティビティを通じて生きた英語を学べるというのが特徴です。

英語村には公営のものと民間委託で運営されているものがあり、現在、韓国全土におよそ30ヶ所ほどあると言われています。近年は、日本やロシアなどの非英語圏の国々から、合宿プログラムに参加する生徒も増加しているそうです*。
* リセマム「【韓国教育事情(後篇)】気軽に英語留学、日本人も学ぶ人気の英語村」

ただ、英語村についてはいいことばっかりではなく(汗)、ネイティブ・スピーカーの人材難や赤字経営といった問題を抱えている施設もあり、そういうところではイングリッシュ・オンリー・ポリシーもしっかり守られていない、なんて実情もあるみたいです。

実際、うちのアパートで開催中の英語キャンプの責任者 Lisa に聞いてみたところ、英語村で実践できる英会話は思った以上に限定的とのこと。

「私も英語村に行ったことはありますが、どうしても買い物やあいさつなどの簡単なコミュニケーションが中心になってしまうので、期待していたほどのプログラムではなかったというのが本音です。英語村はたしかに英語に触れる機会を提供するという意味では意義がありますが、そこで英語力を伸ばせるかどうかは、やはり個人の努力に尽きると思います

なるほど〜。国民の英語力を底上げするってことは、そう簡単ではないんですね。。。次回は韓国政府が積極的に取り組んでいるeラーニング・システムについて調べてみたいと思います!

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