(前回の記事は こちら

こちらの記事 で紹介したように、韓国では1990年代後半から早期留学が大きなブームとなりました。

とはいえ、このように早期留学に行って英語を学ぶことができるのは、裕福な家庭の子女だけ。経済的に余裕のない家庭では、子どもたちを早期留学させたり、高額な英語塾に通わせることは難しいのが実情でした。そのため、子どもたちのあいだに英語力の「教育格差」が生まれ、問題視されるようになったのです。

また、英語を教えることのできる人材が不足しがちな地方では、英語教育の環境が整った都市部の子どもたちと同等の英語教育が受けられないという「地域格差」の指摘もありました。

そこで韓国政府や自治体は、こうした「格差」を解消するためにさまざまな施策を打ち出します。前回の記事で紹介した「英語村」もその一つですが、じつは韓国は他にも大胆な方法で国民の英語力アップに励んでいるのです。

というわけで今回は「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない(by マリー・アントワネット)」もとい「早期留学できないならネットを使えばいいじゃない」とでも言うべきもう一つの施策、マルチメディアを利用した英語教育について調べてみました。

政府が財政支援する韓国のマルチメディア教育

EBSe_korea
その最初の取り組みが、韓国教育放送公社(EBS)による教育番組の提供です。EBSは、わかりやすくいえば日本の教育テレビ(Eテレ)のような局で、教養・文化・芸術番組を放送しています。韓国教育科学技術部(日本でいう文部科学省)は、そのEBSの衛星放送で、2004年から大学修学能力試験(日本のセンター試験にあたるもの)対策の講義サービスを放送開始。さらに、専門サイト「EBSi」を開設し、インターネットによる講義もスタートします。

さらに教育科学技術部は2007年、英語教育番組専門チャンネル(EBSe)を開局します。衛星放送とケーブルテレビで配信され、韓国の全世帯のうちおよそ8割が視聴することが可能だといいます。EBSeには30の幼児向け番組、小学生向けが75、中学生向けが69、高校生向け13、一般および父兄向けが40、そして教員用の番組が11と、なんと合計238ものプログラムが用意されているのです(2012年2月現在)。

プログラムは、フォニックスや英会話、英作文、ボキャブラリー強化などにフォーカスした内容になっています。ゲームやアニメを取り入れた番組も多く、子供たちが自ら進んで勉強したくなるような構成が意識されています。子供たちがそれぞれ自宅で学習できるほか、番組はそのまま学校の授業でも使えるよう、正規授業との連携も強化されているそうです。

韓国では2007年以降、早期留学生の出国数が減少していますが、リーマン・ショックによる経済的理由だけでなく、このような政府の取り組みが早期留学生の増加に一定の歯止めをかける役割を果たしているとも考えられています。

いやー、すごい。こういう背景を調べてみると、韓国が「国策」として本気で英語教育に取り組んでいることがわかります。

ちなみに今回の記事は、こちらの書籍を参考にしました〜

次回は実際に早期留学している韓国人留学生の実例をご紹介しようと思います!


このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr