セブ島で理想的な「親子留学プログラム」を考えてみる vol.3 〜 カリキュラム篇② のつづきです。

前回は、子どもたちのモチベーション・アップには、英語を話す人々の文化に興味を持ち、彼らとコミュニケーションする楽しさを知ってもらうことの他に、現場での指導者の態度も大きな影響を与えるということを紹介しました。
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今日は、脳科学の側面からも子どもたちの「学ぶ意欲」について調べてみます。


「わかる喜び」を繰り返すことが子どもたちのやる気に影響する


まず、京都教育大学附属京都小中学校・山本玲子さんによる論文「子どもの心に自律の種を蒔く英語教育 - 小中一貫教育のさらなる可能性を追求する」に、とても興味深い一説がありました。

発達を続ける子どもの脳は、新しい知識を身につけるために、身体から来る感覚と「わかる喜び」を感情として感じ取る機能を備えている。新たな神経細胞のネットワークを作り続けるために、子どもの脳内ではニューロンの配線とシナプスの刈り込みが絶え間なく起こっているため、わかることを、喜びの感情や身体感覚に変換することができるという。

つまり子どもたちは、身体感覚やリアルな体験とともに学んだことは、喜びの感情とセットで記憶する、ということなのですね。論文では、そういった「わかる喜び」は、親や教師から強制された勉強からは生まれないと言っています。子どもたち自らが学ぶ対象に興味を持って意欲的に学び、心と身体に「わかる喜び」を深く刻みつけることが大事なのです。

「学ぶ意欲」の大切さについて、脳科学者として知られる茂木健一郎さんの著書『感動する脳』 からも引用してみます。

 どんな意義のある職業に就いていても、どんな責任ある立場を与えられていたとしても、意欲が無ければ如何なる創造性も生まれません。反対に、意欲さえ持っていれば、どんどんと想像力はついてくる。そして脳の機能もまた、意欲を持つことで高まっていくと考えられているのです。
 子供を見ていればそれはよく分かります。何事にも意欲的に取り組む子は、勉強の成績も上がってくる。昔はこれを「やる気がある」「やる気がない」などという言い方をして、精神論的に捕らえる傾向がありました。しかし最近の脳科学の研究では、この”やる気”こそが脳の機能を高めることが分かってきた。(略)意欲の無いところに創造性は芽生えない。そして創造性のないところに、感動というものはやってこないと私は思います。

ここで言う「感動」とは、つまり「わかる喜び」と言い換えることができると思います。その「感動」のメカニズムについて、茂木健一郎さんは次のように書いています。

感動というのは、脳が記憶や感情のシステムを活性化させて、今まさに経験していることの意味を逃さずにつかんでおこうとする働きなのです。脳が全力を尽くして、今経験していることを記録しておこうとしている。生きる指針を痕跡として残そうとしている。そのプロセスに感動があると言えるのです。

感動、つまりわかる喜びをともなう学習は、脳の中により強く定着することがうかがえます。子どもたちの心を揺さぶる学習体験を繰り返すことで、さらに学ぶ意欲が高まる。子どもたちの脳の中で起きるそういうポジティブな循環は、結果的に、学習効果をどんどん高めていくはずです。

では、子どもたちに「わかる喜び」を感じてもらうには、どのような学習プログラムを用意すればいいのでしょうか?

NHKアナウンサーから医学博士となり、脳科学に関する著作もたくさんある吉田たかよし氏のコラムに、ヒントになりそうなことが書いてあったので紹介しましょう。

 脳は、人体の中で単位重量あたりもっともエネルギーを使う臓器だ。生き残るために優先順位の低いことについては、脳は省エネモードに入ってしまうのだ。
 一方、生き残るために必要なスキル(たとえば、狩りや調理)を得るための学習は、脳は好んでやる。子どもが虫取りやおままごとが好きなのは、その表れだ。「遊びや体験を通して、楽しみながら学ぶ」というのが、人の遺伝子に組み込まれた本来の学習スタイルなのだ。

これは英語学習でも同じことがいえそうです。私がライフワークとして続けている「セブ島えいご体験プログラム」でも、まさにこの「遊びや体験を通して楽しみながら学ぶ」ことを重視していますが、方向性が間違っていなかったことがわかって安心しましたw

英語学習に「虫取り」や「おままごと」を取り入れるのはなかなかハードルが高そうですが、たとえば歌や踊りを上手く使って英語を教えたり、教師と子どもたちが一緒にゲームをしたり、という形で取り入れることは難しくありません。「お店やさんごっこ」をしたりするのも、楽しいかもしれませんね!

いろいろ調べてたら、親子留学のカリキュラム改善のヒントがたくさん見つかったので、今後に役立てようと思います。

3月29日から開催する「セブ島えいご体験プログラム」の詳細はこちらから〜
親子留学bnr_2015-02-08

 本日の参考図書 





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