以前、赤ちゃんは母語を覚えるために外国語を犠牲にしていた!〜 早期英語教育のメリットとデメリット vol.7 という記事で、英語が母語のアメリカの赤ちゃん(生後9ヵ月)たちに4週間、計5時間にわたって中国語での語りかけをしたら、台湾の中国語ネイティブの赤ちゃんたちとほぼ同じレベルで中国語が聞き分けられるようになった、という研究結果をご紹介しました。
TED_Patricia_kuhl
© TED Conferences, LLC

これは、2003年にワシントン大学のパトリシア・クールさんたちのグループが実施した実験なのですが、要するに小さい赤ちゃんのうちから、日本語だけでなく英語の「音」にも触れさせておくと、子どもは日本語にない英語の音も聞き分けられるようになる可能性があることを示唆しています。

ただし、それを可能にするには「ある条件」が必要だったんです。

その「ある条件」についてパトリシア・クールさんご自身が語っているTED動画を、私の英語の師である藤本文比古さん から教えてもらったのでシェアします。まずは下の動画をご覧ください!

TEDxRainier パトリシア・クール 「赤ちゃんは語学の天才」




動画の中では、私が紹介した実験についても触れられていますが、重要なのは彼女の次の言葉です。

この学習の過程で、人間の果たす役割は何かという疑問を持ちました。それで別なグループの赤ちゃんに、同様の12回のセッションをテレビを通して行い、また別なグループには、クマのぬいぐるみの映像を見せながら音声だけのセッションを行いました。それで赤ちゃんの脳に何が起きたのでしょう? これが音声だけの場合の結果で、学習効果は全く現れませんでした。そしてビデオの場合も、学習効果は全く見られません。赤ちゃんが統計処理をするためには、本物の人間の存在が必要なのです。赤ちゃんがいつ統計処理をするかは、社会的な脳が制御しているのです。

つまり、赤ちゃんが他言語の音を聞き分ける能力を身につけるには、人間が目の前で語りかけすることが必須だということです。音声やビデオ教材を掛け流ししたりするだけでは、効果がないっていうことなんですね。。。

これは赤ちゃん(生後9ヵ月)に対する実験なので、幼児にも当てはまるかどうかはわかりませんが、子どもたちが言語を獲得していく過程で「社会的なかかわり=人と人とのコミュニケーション」が果たす役割は、とても大きそうです。ふむふむ、親子留学プログラムの開発にも非常に参考になりそう。

ところで、TED動画は大人にとっても良い英語の勉強になりますね。英語、日本語のトランスクリプト(文字起こし)が用意されているので、リスニングやリーディングの学習に使えそうです。

ちなみに上記の動画のトランスクリプトはこちらで見れます。
TEDxRainier パトリシア・クール 「赤ちゃんは語学の天才」Subtitles and Transcript

本日は以上です!


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